高齢者が入浴する際の血圧の変化と注意事項をまとめておきます。寒い時期(12月~3月)に高齢者の入浴の事故(心筋梗塞や脳卒中など)が多発しており、これは入浴する時の血圧の急激な変化が原因だとされています。

高齢者が入浴する際に注意すべきことは・・・

①湯船は脱衣所や浴室との温度差が大きいので、入浴する前に脱衣所と浴室の温度を25℃前後に暖めておく事

②湯船のお湯を高齢者には41℃以下にする事

③高齢者の入浴時間は10分以内にする事が大切です。



5℃ほどしかない冬の脱衣所から42℃以上の熱い湯船に入浴すると、急激な血圧の変化が起こり、高齢者の血管系臓器に負担を与えてしまうのです。

42℃以上あるお湯に急に入浴すると、高齢者は血圧が一気に30mmHg以上がってしまうと言われています。

この血圧の急激な変化は、高血圧の高齢者には大変危険な状態を引き起こす事になります。(普段180/110mmHgの方は、上が210mmHgになります。)

つまり急速な血圧の上昇により血管が破れたり(脳出血)、心臓に多大な負担(心臓発作)を高齢者に強いる事になるのです。



高齢者の入浴時間を10分以内とする理由は、入浴時間が長くなると血管内の水分が徐々に失われていき血液がドロドロ状態となります。

つまり血管内がつまりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞を発症させてしまうのです。

このように高齢者入浴する際には、血圧の大きな変化が起こり入浴事故への危険性が高まります。

血圧の変化を少なくするために、脱衣所などの気温を温めておいたり、38℃ほどのお湯で半身入浴にするなどの配慮が必要ですのでご注意下さい。

このような理由から高血圧の高齢者の入浴には十分な注意をお願いいたします。