早朝高血圧についてです。血圧は一日を通して変動しますが、起床時に家庭血圧計で135/85mmHg以上となる場合を早朝高血圧と呼んでいます。

早朝高血圧には①起床すると急激に血圧が高くなる早朝上昇型②就寝中から早朝にかかけてずっと血圧が高い夜間持続型の2つのタイプの早朝高血圧があります。高齢者に多いのは、「夜間持続型タイプ」の早朝高血圧です。



「夜間持続型タイプ」は寝てる7時間前後もの間、常に高い圧力が脳や心臓にかかりますので、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが一段と高くなります。

また脳卒中や心筋梗塞が、起床時の6時頃から9時頃に多発している点も、早朝高血圧に警笛を鳴らす大きな理由となっています。

長嶋茂雄さんの脳卒中もこの早朝高血圧が原因だったかもしれませんね。

早朝高血圧 判定 単位(mmHg)
至適血圧 120/80未満
正常血圧 130/85未満
正常高値血圧 140/90未満
Ⅰ度高血圧 160/100未満
Ⅱ度高血圧 180/110未満
Ⅲ度高血圧 180/110以上



血圧の正常値ですが、家庭血圧計では135/85以上から血圧が高いと判断しますから注意して下さい。家庭内測定では上の表から上下5mmHgづつマイナスした数字になります。

早朝高血圧の治療は、基本的には血圧の治療(食事療法、運動療法、薬物療法)をするしか今のところ方法はありません。ただ早朝高血圧がもたらす脳卒中や心筋梗塞を予防することは可能です。

一番簡単に出来る予防は、寝る前と起床時に水分をたくさん摂る事です。人は就寝中にコップ一杯半の水を失います。

もちろん血管内の水分も失う訳ですから、血液がドロドロになり脳卒中や心筋梗塞の危険性が増す訳です。

早朝高血圧の方は、寝る前にコップ2杯の水を飲むようにして血管内のつまりを予防するように致しましょう。